展示車両全部見せます! 京都鉄道博物館② 2018
展示車両全部見せます! 京都鉄道博物館①のつづき…
本館1F
それではさそっく本館の内部を見ていくことにします。
広大な吹き抜け構造となっている本館。
中に入ると500系新幹線・寝台特急でも活躍した581形・ボンネット型の489形のJR西日本を代表する車両が展示されています。
500系521形1号車
500系のトップナンバーです。
最高時速300㎞は当時世界最速としてギネスブックにも掲載されました。
まだこだまとして営業運転しているのに博物館に入ってしまうとは…
嬉しいようでありなんとも複雑(-""-)
戦闘機を思わせるようなこのフォルム!
他の新幹線とは全く違う‘‘異次元のカッコよさ‘‘ともいえるのではww
すぐ近くまで寄ることができ、様々な角度から眺められます。
高速運転をする上での強敵「騒音」を少しでも減らすため、窓・ドアや乗務員室扉の段差まで滑らかに作られています。
また、500系の特徴はフォルム以外にもこの独特の塗装も人気の秘密ではないでしょうか。東海道新幹線において「白と青」以外の営業用車両は500系が最初で最後になってしまうのでしょうか。
500系はJR西日本がJR東海に「物申す」みたいで面白かったんだけどな~。
今では座席数・車両の長さ等の関係で全く違う形式の車両の導入は難しいのでしょうね。
クハネ581形35号車
昼も夜も走り続けた働き者といえばこの581形(583形)でしょう。
581形(583形)は夜は寝台車・昼はベッドを収納して座席車になる世界初の特急用交直流電車でした。(581形は登場当初は60Hz専用でしたがのちに改造)
寝台スペースを確保するため、限界ギリギリまで屋根が高くなっています。
隣の500系と比べると車幅は新幹線の方が広いはずなのに高さの関係で581形の方が全体的に大きく見えます。
それまでの特急用車両はボンネット形でしたが、581形は連結運転を考慮して全面に貫通扉を備えています。
また、JRの電車では珍しく客用扉が戸袋部を必要としない折戸になっています。
近鉄の特急に似たものがありますね。
クハ489形1号車
国鉄を代表するボンネット形の特急用電車485形の一族の489形。
客室の騒音を減らすため、大きな音を出す機器を全部のボンネットに収納。
大型のヘッドマーク・鼻先の特急エンブレム・赤いひげなど独特の顔つきが大人気でした。
運転席の下にあるエンブレムは、日本国有鉄道の英略称「JNR」をデザイン化したもので、展示に際して復元されました。
また、車体側面に書かれた形式番号の前にある「●」マークはかつて存在した碓氷峠の急勾配区間を通過できる特別仕様車を表すものです。
こうして頭だけを眺められるのも博物館ならではの光景。
230形233号機
イギリスのSLを参考に設計された、日本初の量産型国産上記機関車。
2016年に国の重要文化財に指定されました。
煙突や運転室のいたる所にイギリス製SLの片鱗が見て取れます。
EF52形1号機
アメリカから輸入された電気機関車を参考に開発された日本初の国産大型電気機関車。
日本の電気機関車史上トップクラスの長さで国内メーカーの技術向上に貢献しました。
性能が良く45年以上活躍しました。
旧型電気機関車の特徴でもある大型のデッキ。
車体には乗務員扉がなく、乗務員はデッキを上がって正面扉から入室しました。
実際に上ることができます。
1800形1801号機
1880年に開通した京都~大津間の急勾配区間用にイギリスから輸入されたSL。
日本最初の急勾配線区向けの蒸気機関車として、そのあと各地でも活躍。
車番は1801号機となる前の番号40となっています。
100系122形5003号車
長年にわたり製造された0系の後継車両として1985年にデビューした100系。
全面スピード感のあるシャープな先頭部デザインは、1981年に登場したフランスの高速鉄道「TGV」を意識したとも言われています。
ベースの白色は0系よりも明るく細長いライトが特徴。
新幹線初の2階建て車両を連結し話題となりましたね。
キハ81形3号車
1960年に登場した、国鉄初の特急用ディーゼルカー(気動車)。
それまではSL牽引の客車列車だった非電化区間の優等列車を置き換えていきました。
全面のいかついボンネットの形から「ブルドッグ」の愛称をもちます。
上野- 青森間特急「はつかり」でデビューしました。
当初は初期故障が多くマスコミ「はつかり、がっかり、事故ばっかり」などとキャッチ-なフレーズで叩かれたりもしましたが、それでも従来の客車に比べれば遥かに高速で快適な気動車特急は好評で、その後増備されていきました。
キハ81形の前には「昭和乃駅」が再現されており、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気です。
ヨ5000形5008号車
日本初のコンテナ専用列車「たから号」の最後尾に連結されていた車掌車。
たから号は梅田~汐留間で運行され、貨物列車としては初めて愛称がついたことでも有名です。
ワム3500形7055号車
大正時代に10,000両以上が製造された戦前を代表する大型貨車。
昭和30年代後半までは多く使用されていたみたいですが、コンテナ輸送が主流になるにつれてその姿を減らしていきました。
側面は木製。
交通科学博物館時代からありますが、本物ではなくモックアップだそう。
外観も中身も本物とほぼ同じ。
運転席周りも正確に再現されており、速度計もしっかり160㎞まであります。
川崎重工兵庫工場の本社前には本物の151系が保存されていますね。
その時の模様です⇩ よければどうぞ。
lifeisjourney-k-s.hatenablog.com
EF66形35号機
東海道本線や山陽本線の高速貨物列車用に誕生した、国鉄最後の直流電気機関車。
国鉄史上最強と言われたパワーをいかんなく発揮し、高速化に貢献しました。
縦に並んだヘッドライト、その間に配置された飾り帯、そしてナンバープレートの装飾などその美しい形状はファンを魅了しましたね。
車両の下に潜りこんで台車やモーターの構造を見ることができます。
DD51形756号機
1962年から16年間にわたって約650両が製造された液体式ディーゼル機関車で国鉄の無煙化に貢献。凸型の車体は真ん中が運転席、両端がエンジンで、非電化区間のエースとして全国各地で活躍しました。
ブルートレインから貨物列車まで、様々な列車を牽引しました。
こちらも車体の下に潜りこんで構造を楽しめます。
反対側には「出雲」のヘッドマークがついています。
101系
101系のモックアップです。
ドアを開閉したり、車輪が動いている所などを見ることができます。
日本の鉄道の始まりから現在までの鉄道の歴史を知ることができる「鉄道のあゆみ」のコーナーがあります。
当時の制服や模型・ジオラマ・ヘッドマークなど貴重な資料が保存されています。
実際の踏切が設置されており、非常ボタンも押すことができます。
大雨や地震などの自然災害が起こった後、保線作業員が線路に異常がないか調べるときに使用することのある、軌道自転車に乗車することができます。
車輪や台車の展示です。
集電装置いわゆるパンタグラフの展示です。
ひし形のモノからシングルアームなどいろいろあります。500系のモノもありボタンを押すと上がります。
各車両の運転台の模型。実際に座ることができます。
221系は全面部分のモックアップになっており、車内放送もできます。
種別はなぜか臨時。
そのほかEF66・DD51・DE10・0系がの運転台がありました。
保線のことも学べます。
右の写真はカント(片勾配)の測定器です。
クモヤ93形架線試験車の模型。
1958(昭和33)年にモハ51を改造して誕生した架線試験車です。
1960年11月21日東海道本線藤枝- 金谷間において高速度試験で175km/hという当時の狭軌鉄道世界最高速度を達成した車両です。
高速試験といえばこの381系も有名です。
国鉄時代に湖西線において381系C601編成で国内狭軌最高速度の179.5km/hを記録しています。
残念ながらクモヤ93形は1980年に381系C601編成は2011年に廃車になっています。こういう歴史に名を刻んだ車両をぜひとも保存しておいてほしかったなぁ。
その他、架線・信号の仕組みやトンネル・橋の構造なども詳しく解説されています。
DD14の茶色塗装の模型もありました。
591系自然振り子式車体傾斜車両の仕組み模型がありました。
横から見る限りでは低運転台車側のクモハ591形だと思い裏側に回ってみましたが、残念ながら全面は再現されていませんでした。
展示引込線
オハ46形13号車
国鉄が急行列車での使用を目的に製造した客車。
3等車ながら座席や照明を大幅に改良、乗り心地もよく好評だったよう。
後にローカル線の普通列車などに転用され、今も全国で数量がイベント用に残っています。
カニ24形12号車
24系寝台客車は集中電源式を採用し、この電源車で作った電気を全車両に供給していました。
いわば「縁の下の力持ち」で車両には荷物室もあり、新聞や手荷物もこの車両に積載していました。
オハ25形551号車
「トワイライトエクスプレス」のサロン車両。フリースペースで全席が海側を向き、大きな窓から日本海の夕日が堪能できました。
景色を堪能できるように特大サイズの窓を両側に設置。
これに乗ってソファーに座って眺める日本海の夕日は最高だったんだろうな~。
展示引込線には階段があり、屋根の構造を見ることが可能です。
本館の2階に上がる前に外に出てみると、先ほどはいたEH800‐11がもういなくなっていました。
本館2F
「生活と鉄道」というテーマで鉄道と旅行の発展やバス・航空機などの様々な移動手段が比較展示されていました。
国鉄の修学旅行専用列車155系「きぼう」や近鉄の修学旅行専用列車20100系の模型展示もありました。
関西を代表する速達列車「新快速」の歴史が展示されています。
客室の解説も詳しくされています。つり革の形状・トイレ・洗面台など。
座席の展示コーナーでは700系7000番台のコンパートメントシートやフルムーンシート・W7系のグランクラスのシート・151系特急「こだま」のパーラーカーの座席の展示がありました。
こちらは座席予約システム「マルス」の歴史です。今はネットやみどりの窓口で一瞬できっぷが変えますが、昔は1枚の指定席を発券するのに30分もかかっていたんですね。
昔の改札と現代の改札の比較展示のコーナー。
乗務員宿舎などに設置されている「自動起床装置」。
JR貨物の秘密がわかる「物を運ぶ」のコーナー。
日本の鉄道が開業した翌年から始まった鉄道貨物の歴史をどのように発達し、人々の生活を支えてきたかを模型や実物のコンテナで解説されています。
列車をコントロールする指令所の表示盤の展示やATS(自動列車停止装置)・ATC(自動列車制御装置)の仕組みをジオラマの模型を実際に運転しながら学ぶことができます。
また、奥にはキッズコーナーがあり、プラレールをはじめとする鉄道関連のおもちゃがありました。
壁面にはHOゲージの模型。
新幹線の16両や歴代・現代の特急列車のフル編成展示がされています。
数ある体験展示の中でも人気の「運転シミュレータ」。
全部で8台が用意され、うち6台は在来線タイプで2台は新幹線タイプです。
制服に着替えて運転士になりきって楽しむことができます。
関西の鉄道を語る上で外せないのが「私鉄」。
私鉄王国関西ともいわれるほど、路線も車両もJRに対抗したり協力したり切磋琢磨して成長してきました。
大手私鉄の阪急・京阪・阪神・近鉄・南海をはじめ京福電鉄や叡山電鉄などの京都の私鉄も紹介されています。
また、今は亡き京都市電の懐かしの映像などもありました。
鉄道ジオラマのコーナーでは日本最大級のジオラマを身近な車両や懐かしの名車両が駆け抜けます。
1日に6回鉄道の一日というテーマで解説付きの走行が楽しめます。所要時間は約15分。
鉄道車両だけではなく、トンネルや橋梁など様々なところまで綿密に作られています。
次はこの博物館一番の目玉「扇形車庫」を見に行きます!
展示車両全部見せます! 京都鉄道博物館③につづく…