片道1,185円(青春18きっぷ)で関西から広島へ ぶらり広島日帰り旅 part1
2018年春
関西から広島まで鈍行列車で行ってみました。鈍行ということは、そうです‘‘青春18きっぷ‘‘利用です。関西-広島は青春18きっぷ利用の日帰り往復が可能で、始発ならば広島での滞在時間は6時間超であるため定番のコースとなっています。
今回はその旅行記です。
よければ最後までご覧ください。↓
時刻は午前5時30分。JR神戸駅にやってきました。
なぜ神戸駅からのスタートなのかと言いますと、、、
神戸駅は東海道本線の西側の終点および山陽本線の東側の起点という旅の始まりにはもってこいいの駅だからです。
今回は広島まですべて普通電車で向かいます。優等列車は時間の都合上乗れません。
神戸-広島間の山陽本線の駅数は83駅。すべての駅に停車していきます。
1本目 05:40発 普通 西明石行
さて、1本目。大阪発の普通電車です。意外と混んでいます。
まだ、外は暗く車窓は楽しめません。
西明石駅に到着。草津駅から続いてきた複々線ここでおしまいで、これより西は複線になります。
2本目 06:21発 普通 姫路行
次に乗車するのは221系。
さぁ、姫路駅に到着。乗り換えです。
3本目 07:05発 普通 三原行
次に乗るのは黄色一色塗りが特徴的な岡山支社の115系6両編成。
3時間の長時間乗車になります。
車内はそこそこ混雑。
姫路を出ると、岡山までしばらく長閑な光景が広がります。
列車は岡山駅を発車し、倉敷に到着。ここで日本海側へ向かう伯備線と分岐します。
車内はこんな感じ。新幹線接続駅になると人が増え徐々に減り、また接続駅で増えの繰り返しが続きます。
田園地帯を抜け、住宅街を進むとしまなみ海道の玄関口、尾道駅に到着。
ここから三原駅付近まで海が見えます。
特に尾道~糸崎間は瀬戸内海沿岸を走ります。いい景色です。
乗り換えます。次の終点三原駅まで行って乗り換えることもできますが、後続の糸崎発に接続するだけなので糸崎で乗り換えます。
4本目 10:23発 普通 岩国行
広島県に入り初めて乗るのは、「Red Wing」の愛称を持つ227系電車です。
初めて227系に乗車します。
シートは先ほどの115系(車内更新済み車)と大差はありませんが、足回り(台車)が進化していることもあって乗り心地の良さが良くわかります。まぁ30年以上前の車両と比べれば当たり前なんですがね(^^;。
糸崎を発車し呉線と三原駅で分岐した後、山陽本線は沼田川としばし並走します。
いい景色ですね。
列車はその後、「セノハチ」で有名な八本松駅 - 瀬野駅間の22.6‰の急勾配区間に入ります。最新型の車両なので勾配区間であろうがスイスイ上り下りします。
広島に到着。中国地方一の都市というだけあって、乗客も増えます。広島駅は後ほど見て回るのでとりあえずこのまま乗車し、厳島神社の玄関口、宮島口駅にまで行きます。
神戸駅から6時間30分。やっと宮島口に到着。
普通列車だけでやってきましたが、やはり長かった(笑)
宮島へ渡るにはJRフェリーと松大汽船の2社があります。JRフェリーは青春18きっぷで乗ることができるので、迷うことなくJRに決定。
5本目 12:25発 宮島行
宮島までは毎時4便あるので、待っても数分で乗船できます。
船からは広島名物牡蠣の筏が見えます。
JRフェリーと松大汽船は料金など違いがあまりないようにみえますが、一番の違いは航路(運行ルート)。宮島口発の便は直線では行かず、厳島神社の大鳥居に接近するため大回りします。海の上から大鳥居を写真に収めることができます。
船を降りるて少しのところには「日本三景碑」が立っていました。以前、天橋立に行った際にも同じような碑がありました。松島にもあるのかな?
鹿です。何か食べてはいけないものを食べているような……(゚Д゚;)。
いい匂いのする土産物通りを抜け大鳥居を目指します。
ちょうど干潮時だったので鳥居の間近まで行けました。
この大鳥居は奈良の春日大社・敦賀の気比神宮の大鳥居とともに「日本三大鳥居」に数えられています。
本社は寝殿造りの影響を強く受けた平安様式ですね。
こんな並びも撮影できます。フェリー×3(JR・松大・松大)
結構スレスレを航海するんですね。
水が透き通っていて、絶景!
何時間でも見てられるなぁ(´-`)
ポスターにもなりそうな一枚⁉
日本三景の一つになるのも納得です。
片道1,185円(青春18きっぷ)で関西から広島へ ぶらり広島日帰り旅 part2につづく…
近畿でここだけ! SL北びわこ号(C56-160)乗車記 後編 2018年春
近畿でここだけ! SL北びわこ号乗車記(ハプニングあり) 前編 2018年春のつづき……
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せっかくなので、木之本(木ノ本)の町を散策します。
木之本は北国街道と北国脇往還の分岐点があり、古くから交通の要衝・宿場町として栄えました。
町の中心にあるのが木之本地蔵院です。古い町並みの中で周囲の風景にマッチしていて落ち着いた雰囲気の場所です。
こちらは創業480年の造酒屋「山路酒造」です。桑酒と北国街道という地酒が有名で島崎藤村も注文したとか。
また、‘‘木ノ本‘‘といえば『つるやパン』を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。テレビなどで紹介され人気を博しています。
人気商品っぽい商品を4つ買ってみました。
サラダパン・サンドウィッチ・ランチパン・カステラサンドの4種類。ちょっと買いすぎたかな。どれもおいしかったです。
さて、木ノ本から米原方面へと戻っていきます。先ほどまで大勢の方がいましたが、ちょっと時間がたつと日常の風景に戻ります。SLの停車していた線路上だけが黒くなっています。
そこへやってきたのは、午後便のSL北びわこ3号。たまたま時間ぴったりでした。
力強く発車していきました。
さて長浜駅にやってきた理由は、「長浜鉄道スクエア」という博物館を訪れてみたかったからです。
館内の様子は↓からご覧ください。
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さて長浜鉄道スクエアを見学したのち、米原駅に戻ってきました。
米原駅近辺でもう一つ見たいものが。
鉄道総合技術研究所風洞技術センターに保存されている新幹線高速試験車両です。
ここ、風洞技術センターでは高速走行時に発生する空力騒音や空気抵抗を解決するため、世界のトップクラスである低騒音性能と高い風速性能を備えた大型低騒音風洞で日々実験しています。
ここに3両の貴重な車両が保存されています。
車両は左から300X(JR東海)・STAR21(JR東日本)・WIN350(JR西日本)のいずれも先頭車両です。
WIN350
正式名称は新幹線500系900番台電車。
JR西日本が1992年平成4年に開発した、最高速度350km/hでの営業運転に必要なデータを収集するために運用された6両編成の高速試験電車であり、新幹線500系電車の原型となった試作車です。米原に保存されているのは博多方の先頭車ですが、新大阪方の先頭車は博多総合車両所で保管されています。
STAR21
正式名称は新幹線952形・953形電車。
JR東日本が1992年に騒音、微気圧波、地盤振動等の低減などの環境対策をさらに進めるために製作した高速試験用新幹線電車。通常構造の非連接車952形4両と連接構造の953形5両で1編成を構成していました。もう片方の先頭車両はJR東日本新幹線総合車両センターにて静態保存されています。
300X
正式名称は新幹線955形電車。
JR東海が1995年に300系に続く次世代の新幹線関連の技術を実験するために製作した高速試験用電車。1996年7月26日未明、米原駅 - 京都駅間で日本国内最速記録443.0km/hを記録しました。米原で保存されているのは955-1形(カスプ型)ですが、速度試験当時は東京方(955-6形ラウンドウェッジ型)で行われました。なお、955-6形ラウンドウェッジ型はリニア・鉄道館にて保存されています。
同センターは通常公開していませんが、例年「鉄道の日」(10月14日)前後に特別公開を実施しており、期間中であれば車内(運転席を含む)も見学できます。
と歴代の偉人(偉車両?)を眺めていると…
今日一日の運用を終えたSL北びわこが帰ってきました。
米原駅南にある留置線でEF65・12系客車・C56がそれぞれ切り離され、EF65+C56に組み換え京都まで返却されます。
C56を待つEF65-1132。かつてはブルートレインの牽引を担ってきた‘‘名機関車‘‘でしたが、現在は団体や一部の貨物などの運用についているのみで貴重な存在となってきました。
12系客車に関しても、オリジナルを保っている車両はこの宮原運転所と高崎車両センターに所属する計12両のみを残すだけとなりました。SLよりも貴重かも(ー_ー)!!
昭和14年製の機関車と現代の新幹線を一枚に。
まるで‘‘おじいちゃんと孫‘‘のような雰囲気です。
お疲れ様!C56形蒸気機関車160号機
ここでC56とEF65の連結作業の写真と共に「ポニー」の愛称で知られるC56形蒸気機関車160号機の歴史を振り返ってみます。
C56-160は、1939年4月20日川崎車輌兵庫工場にて、C56形のラストナンバー機として完成しました。現役時代は津山→鹿児島→横浜…etcと様々な路線で運用されていました。1972年からは梅小路運転区の所属となり、他から転属して来た蒸気機関車の搬入に使用されました。
1980年「北海道100周年記念号(小樽 - 札幌間)」の牽引機として抜擢されて以降は、走れる路線を選ばないという特性から全国各地での出張運転に供され、JRとなったのちも全国からの貸出依頼が多く、各地を走行しました。
時には、脱線事故のおそれがあるとされているバック運転(逆機)も数多く行ってきましたが、1度も脱線することなく無事故で運転を行いました。
近年はSL北びわこ号・SLやまぐち号の牽引運転を中心に運用されていましたが、徐々に車体の老朽化が進み、急勾配のある山口線をはじめ本線での運行が難しくなってきました。
それでもここ数年は、より馬力のあるC57との重連で牽引したり、DD51の力を借りつつ何とか頑張って走っていました。
しかし、いよいよ本線での運行が厳しくなり、本線で運用できるように大規模修理を終えたD51-200の運行が始まったのを見届けるようにして、2018年本線からの引退が発表されました。
SLやまぐち号としての最終運行は2018年5月6日、SL北びわこ号としての最終運行は5月27日をもって、事実上本線から退くことになります。
本線から退いた後は、京都鉄道博物館内の「SLスチーム号」として運行される予定となっています。
個人的にはC56のような小型で線形を選ばず運行できる万能機関車が、本線から引退するのは残念です。まだまだ各地で出張運転を行い沿線を活気づけてほしかったのですが、老朽化には勝てないようです。しばらくは梅小路でゆっくり休み、またいつの日か本線にてお目にかかれることを楽しみにしています。
お読みいただきありがとうございました。
近畿でここだけ! SL北びわこ号乗車記 2018年春 完結
展示車両全部見せます! 長浜鉄道スクエア
さてSL北びわこ1号に乗った日の午後、長浜駅で下車し一度訪れてみたかった「長浜鉄道スクエア」にやってきました。
↓SL北びわこ号乗車記 合わせてご覧ください
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長浜駅からすぐのところにあります。
旧長浜駅舎
旧長浜駅舎は、木骨構造の明治初期としては画期的な石灰コンクリート造り2階建ての建物です。外壁はコンクリート素面仕上げで、壁の厚さは50cmもあります。四隅の角は花崗岩の切石を積み、窓枠と出入口は、レンガを使っています。
1階は駅事務所と待合室、2階は敦賀線の管理を扱った鉄道事務部門がありました。1階2階ともに暖炉が設けられ、回り階段、彫刻入りの欄干など鹿鳴館調の建築様式で、まちの人々を驚かせた西洋館でした。
入り口にも展示物があり、こちらは旧長浜駅29号分岐器ポイント部。
また、その隣にはトンネルの出入口の上に彫られている文字いわゆるトンネルの石額が並んでいます。
明治の鉄道建設は、先進国に追いつくために、どうしても必要な国をあげての一大事業でした。そのため政府は、国策の中心として鉄道建設を進め、当時の政府の主だった人が、トンネルの石額を書きました。
ここ、鉄道スクエアには
伊藤博文:『萬世永頼』(旧北陸本線の柳ヶ瀬トンネル東口)
黒田清隆:『徳垂後裔』(旧北陸線山中トンネルの山中信号場口)
後藤新平:『大享貞』(旧北陸本線子不知トンネル)
をはじめとした石額が数点保存展示されています。
さて、中へ入ります。
大人300円・小中学生150円とお手頃です。
入場券とパンフレットを受け取り、まずは旧長浜駅舎内を見学。
旧長浜駅舎内は当時の一等二等待合室や駅長室が再現されています。
ちなみに、長浜駅の初代駅長は、後に初代東京駅長となった高橋善一氏です。(長浜駅開業は東京駅開業より前です。)
よくできていますよ。家に置いておきたいぐらい(笑)
北陸線電化記念館
まずは、北陸電化記念館から見ていきます。
館内にはD51形-793号機と日本で唯一現存しているED70形が並んで展示されています。
ED70形1号
日本で最初の営業用60ヘルツの交流電気機関車です。車体のデザインは同時期に製造されていたDF50形ディーゼル機関車を踏襲しています。交流の電気機関車であることを示す赤色に塗られ、19両製造されました。保存機はこの1両のみで大変貴重な1両です。
このED70形1号機は、1957年7月に三菱電機で製造され、田村-敦賀間の交流電化区間で、1975年4月まで18年活躍しました。走行距離は、1,473,000kmで、地球を約37周したことになります。
D51形793号
SLの代名詞‘‘デゴイチ‘‘です。ここで展示されているD51形793号機は、1942年11月に三菱重工神戸造船所で製造され1970年まで27年走りました。この車両と北陸本線の関係は新製直後の米原区時代と、最晩年の金沢区時代になります。走行距離は1,784,000km。
室内保存ということもあって、内外側ともにとてもきれいな状態です。
蒸気機関車の運転台に入るといつも思うのですが、こんな視界でよく運転できていたなぁと。窓を開けて覗いてもこの見え方ですから、運転には今より相当気を使うものだったのではないでしょうか。
この2両の展示車両がここにやってくるまでの軌跡も紹介されています。
実際に使われていた合図灯やタブレットなどの展示や模型コレクターに人気の車種EF13・EF55・DD50をはじめとしたOJゲージの模型です。
こちらは昔の駅弁・お茶と琵琶湖で活躍していた船舶の模型です。
この船は昭和3年に竣工した京阪丸。琵琶湖内の島巡りやレジャー客の輸送で活躍しました。戦時中には工員宿舎や兵士の療養に、また戦後は占領軍の休養にと利用されました。
ジオラマ・行先表・愛称表・ナンバープレートなど
電化記念館というだけだけあって、北陸線の交直流の歴史や仕組みがわかりやすくQ&Aの形式で展示されています。
壁面には東海道線の開業当時の駅舎パネルが展示されており、神戸から新橋までの明治20年ごろの様子をみてとることができます。
階段で上からも眺めることができますが、
天井の立派な梁で眺めは微妙です。(笑)
この日は入れませんでしたが、展望デッキもあり、長浜駅構内の様子や踏み切りを通過する電車の様子も見ることができます。
長浜鉄道文化館
次は隣接する長浜鉄道文化館を見学してみます。
この施設は長浜の鉄道文化を後世に伝える為に、平成12年10月14日の「鉄道の日」にオープンした資料館です。
入口には「琵琶湖の女王」と呼ばれた白亜の汽船「玻璃丸」の模型と舵がお出迎え。
屋根の梁が独特の形状をしています。
こんな珍しい貨車も。
琵琶湖産の鮎などの生きた魚を運ぶために、製造された活魚車という車両です。
隣の電化記念館と同じくこちらも、パネル展示が充実しています。その中でも北陸トンネル開通時の新聞記事は興味深いですね。北陸トンネル開通によって25‰の急勾配が解消され大幅な時間短縮になりました。
中央には2階に上がれる場所があり、上には現在の長浜駅周辺を模して作られたHOゲージのジオラマがあります。鉄道信号も本物同様に切り替わります。
明治のころ、長浜は、神戸・大阪の太平洋側から敦賀・北陸の日本海とを結ぶ鉄道交通の要所でした。その当時の様子を昔の写真やパネル、ジオラマを使って紹介しています。
感想
リニア館や京都鉄博に比べれば規模は小さいですが、北陸線における交直流の歴史や、わが国初の鉄道連絡船就航の記述など大手の博物館とは違った魅力のある博物館です。長浜に訪れた際には訪れてみてはいかがでしょうか。
ありがとうございました。
最後に公式ホームページを貼っておきます。
近畿でここだけ! SL北びわこ号乗車記(ハプニングあり) 前編 2018年春
今年もSL北びわこ号が湖北路を走る季節がやってきました。
2018年春季の運転は、3月4日、25日、5月27日の3日間。
牽引機関車は今年の5月で山口線引退が発表されたC56形160号機。
SL北びわこ号としての引退は発表されていませんが、可能性は否定できないので乗るなら今年しかないと思い、乗車してきました。
※2018年3月19日付けのJR西日本のプレスリリースによると、今年の5月27日にSL北びわこ号をけん引する機関車として最後の運行を迎えることが発表されました。つまり本線から引退するということになります。
個人的には残念ですが、SL北びわこ号として20年以上活躍してきたことを思うとお疲れさまでしたと労をねぎらいたいですね。
ちなみに、夏以降に運転するSL北びわこ号はD51形のけん引になるようです。(追記:3月19日)
さて、今回はその乗車記をご紹介します。
SLの入線1時間前に米原駅にやってきました。
駅にはこのような横断幕がはられています。
まずはネットで予約していた指定券を発券し、木ノ本駅までの乗車券を購入します。
指定券520円・乗車券410円。
駅の随所にSL北びわこ号の案内がされています。
SL北びわこ号は5番乗り場から発車します。
SL到着までしばしホームで待機します。すでに5番乗り場にはたくさんの撮り鉄の方が今か今かと待ち構えています。
時刻は9時30分。京都からEF65に引かれてやってきました。
ホームには入線せず、いったん4番線に入ります。
ホーム中央付近で切り離し作業が行われます。
EF65を4番線に残し、C56-160の自走でいったん客車の待つ留置線まで後退します。
その後5番乗り場には、名古屋発のしらさぎ3号が到着します。後ろよりに3両連結して金沢までは9両で向かいます。
8分間停車したのち9時56分に発車していきました。
さて時刻は9時59分、本日の主役「SL北びわこ1号」の入線です。
客車は12系。SLが貴重なのは言うまでもありませんが、この原型を保った12系客車も大変貴重な存在です。客車目当てで乗りに来る方も大勢います。
乗車するのは4号車。
種別表示は「臨時」です。
この国鉄型急行客車ならではのボックスシート。たまりませんね~。
車内は比較的製造時のままを保っています。特に洗面台は原型を完全にとどめています。
さて米原駅を発車します。
「ガックン」という客車特有の衝撃と共に前後に揺さぶられるような感じで加速。
これぞSL!
C56の愛称‘‘ポニー‘‘のごとく軽快に加速し、東海道線と新幹線の高架をアンダークロスします。
12系客車では今では聞くことがほとんどなくなった、客車車内チャイム「ハイケンスのセレナーデ」を聞くことができます。
米原より先の湖北地域の車窓は比較的のどかで、ゆったりとした景色が広がります。
車内ではボランティアのガイドさんが回ってきて、沿線情報を解説してくださいます。前方に見えてきた丸い特徴的な建物は、滋賀県立長浜ドームだそうです。
また、沿線ではたくさんの方が手を振って下さっています。車内の乗客もそれに応えるように手をふりかえし、とても心温まる光景が続きます。
沿線が一丸となってSLを動かしているのだなぁと改めて思いました。
しばらく走っていると、記念乗車証が配られました。C56とC57の2種類があるようです。
車内販売もあります。SLに関するおもちゃや、お菓子などが売られていました。
そうこうしている内に、SL北びわこ号一番の撮影地「河毛カーブ」に差し掛かります。SLも減速し、汽笛と共にモクモク煙を出します。ガイドさんによると例年より撮り鉄の方が多いと仰っていました。やはり本線の引退が噂されているからでしょうか。
SLは終点木ノ本駅に向かってラストスパート。
もっと堪能していたかったなと思っているうちに終点木ノ本駅に入線し始めました。
しかし、3号車がホームに入線しかかった途端、「ガックッ」という強い衝撃と共に急ブレーキがかかりました。
SLの非常ブレーキは初めてです。
車内放送:「急停車失礼しました。原因を調べております。しばらくお持ちください」
内心:「撮り鉄が、前に出すぎて停車したのかな。」と最初は思っていました。
窓を開けて前の様子を伺います。
何かやり取りが続いています。
緊急停止して10分。何も動きがありません。
私が乗車中の4号車はちょうど踏切上に止まってしまいました。
そりゃ、渋滞しますよねw。なんか申し訳ない感じ(ーー;)
15分後…
車内放送:「運転を再開します」
内心:「やっとか。まぁ少しでも長く乗れたしよかったかな」
と思うや否やまたしても非常ブレーキ。
内心:「またですか…」
先ほどから20mも進まない内にまたしても緊急停車。
車内放送:「前を走る列車による緊急信号を受信したため停止しています。しばらくお待ちください。」
内心:「どうなることやら(。´・ω・)?」
またしても前の方でやり取りが続きます。
2回目の緊急停止から4分後…
車内放送:「運転を再開します。木ノ本に到着です。到着時間が遅れましたことをお詫びいたします」
結局木ノ本駅には約20分の遅れで到着しました。
なぜ2回も停車したのかその場では説明はありませんでした。
気になったので後で調べてみると
内容は↓
概況
3月4日午前10時53分ごろ、当該列車が木ノ本駅に停車する際、ATSの非常ブレーキが動作し停車しました。運転士が運転台の計器類を確認したところ、本来であればATS機器スイッチが「前」位置の状態であるべきところ、「後」位置の状態であることが判明しました。
調査した結果、米原~木ノ本駅間をATSが正常に動作しない状態で走行していたことが判明しました。
原因
3月4日に当該列車の運転士が、梅小路運転区にて運転整備をする際に、ATS機器スイッチの確認を失念したためです。
だそうです。頼みますよJR西日本さん!
まぁほとんどの客がそんなに気にしておらず、むしろレア体験と思っているようですがww。
でもこれは1回目の緊急停止理由です。
では2回目の停止理由は?
これはSLを降りてすぐにわかりました。どうやら近江塩津発の新快速が木ノ本駅の1駅向うの余呉駅付近で鹿と衝突したためによるものだそうです。
まぁ、いろいろとハプニングがありましたが何とか無事に到着できたので、よかったです。
気を取り直して、、、
SLの到着後すぐに後ろから追いかけてきたEF65が3番乗り場に到着。
折り返し米原までの牽引を担当します。
先頭付近では記念撮影で大盛り上がり。
2番乗り場は大変込み合っているので、対面ホーム(1番乗り場)からSLの先頭を撮影してみます。
C56形蒸気機関車は簡易線区でのバック運転のために、テンダー側面を大きく欠き取って後方視界を確保したスタイルが特徴となっています。
細部まで観察できます。やはり、SLは動いてこそですね。
遅れていた上り新快速が20分遅れで到着したみたいです。
反対側ではEF65との連結作業が済み、米原への回送準備が整いました。
EF65はやはり‘‘青い客車‘‘がとっても似合いますね。
SL北びわこ号の運転開始当初は木ノ本 - 米原間にて、SL北びわこ号を逆機で牽引していましたが、特急・貨物・新快速の乗り入れなどによってダイヤに制限がかけられたことから中止され、回送列車となりました。
定期検査明けの試運転では、逆機でも運転されているみたいですが。
出発を待つSL北びわこ(回送)の隣を通過していくのはしらさぎ6号。いつもなら高速で通過していきますが、この日はホームにたくさんの人がいるため超低速での通過です。
30㎞/hも出ていないのではないでしょうかww。
ギャラリーの皆さんに汽笛で別れの挨拶をした後、しらさぎの後を追うように発車していきました。
木ノ本駅の改札を出ると、「ふれあいステーションおかん」という地域交流拠点があり、木之本を代表する名産物・工芸品や旬の農産物などが販売されています。この日はSL運転日ということだけあって、SLグッズも多数販売されていました。
さて、木ノ本の町を散策しましょうか。
近畿でここだけ! SL北びわこ号乗車記 後編 2018年春につづく…。